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学会概要








 理事長挨拶



 昨今の日本は、少子高齢化が進展し、要介護高齢者の数が増え、ケアする側のマンパワーが不足する未曾有の時代に移り変わってきています。このような社会では、人材不足の補填策として、外国人やロボットの登用がより一層促進されることでしょう。公衆衛生学や健康科学、スポーツ医学、介護福祉領域の研究者は、迅速な一般化が困難な萌芽的研究の成果(エビデンス)を追い求めるだけでなく、健康支援の専門家として適正な規範(モラル)を堅持しながら、社会に役立つ具体的な健康福祉の実践方法を提示することが肝要と思います。研究者はメディカルスタッフとコラボしながら、国や健康関連の諸学会は国民のヘルスリテラシー、医療リテラシー、健幸華齢リテラシーを高める方策の洗練に傾注するべきではないでしょうか。

当学会の会員である健康支援研究者や行政の専門職は、健康関連データの定量分析、科学論文の執筆、シンポジウム、基調講演などに精励するとともに、国民に役立つ具体策(スマートな生き方、老い方)を創出することが急務ではないでしょうか。
田中喜代次
田中 喜代次 理事長

それと同時に、国や地方の行政、そして当学会などは、食事療法や運動に対して薬の代替的手段としての可能性を期待するとともに、食事や運動、休養それぞれに内包されている価値や魅力をしっかりと伝えていくことが肝要でしょう。医師には、運動禁忌令(医師らによる運動習慣化の中止・禁止命令、いわゆる‘ドクターストップ’)を安直に早くから出さず、むしろ運動禁忌令を解いてquality of life(QoL: 生活の質、人生の質、身体の質)を保持させてあげたいと熱望するような、医療プロとしてのスキル獲得が必要と思われます。また、医師は患者に対して内服薬依存の常態化から脱却し、病気と闘わず、病気とともに過ごす「従病(しょうびょう)精神」の生き方を提示することが必要かもしれません。傷病の後遺症や社会復帰への不安を抱える人にとっても、命が途絶える直前まで身体的に自立できていること(尊厳死・満足死・安楽死)が理想であり、そのためにも有効であるのが適正な食習慣や運動習慣の形成と従病精神です(一病息災、二病息災)。不整脈を持つ人に向けた安全なエクササイズセラピー、高血圧でも運動が楽しめるメディカルフィットネス、血圧を下げる減量(食事療法)、膝関節痛や腰痛・脊柱管狭窄症の人に向けたレジスタンストレーニングや3次元アクセラレーショントレーニング、パーキンソン病や脳卒中片麻痺・虚血性心疾患などの患者に向けた有効な理学的運動療法、さらには腎臓透析患者や脊髄損傷患者にも実践できるメディカルフィットネスセラピーなどが日本で醸成され、世界をリードしていくことを期待したいです。

 運動・スポーツやフィットネス(直訳は‘体力’、ここでは‘体力つくり’と定義)の多様化が進み、Exercise is medicine(EIM)とまで言われる時代になりましたが、アメリカスポーツ医学会(American College of Sports Medicine: ACSM)によるEIMメッセージは私には短慮で稚拙なもの、異様なものに映ります。フィットネスの効果を検査値改善の程度や極めて困難な医療費抑制に依拠して見るのではなく、国民の生きがいや幅広い幸福感を柔軟に捉え、QoLを良好に保持するための有効な一手段に位置づける働きかけが重要ではないでしょうか。そのような働きかけの累積結果として、生活習慣病予防策や介護予防策、または元気長寿、達者老人、健幸華齢人生のための有効策が見つかるかもしれません。

 医師など各種メディカルスタッフや運動指導者によるスマートな生き方支援の課題は、本人に適切な生活行動の習慣化を自覚させ(個の覚醒)、よくない点の修正に向けて主体的に、かつ着実に行動していけるよう、いかにスマートに導くかでしょう(家族や職域・地域の覚醒)。このように、良質の生き方支援とは、健康つくりを通じて達者な日々と生きがいの創造につなげていく健康教育(=健康つくり思考の発展)の社会現象化であり、個人の主体性を柔軟に尊重するものでありたいと思います。不定愁訴があっても病気とは限らないため、消極的治療がなされ、その成り立ちの説明と生活習慣の改善に導くべきでしょう。血液検査値についても然りです。巧みなコミュニケーションスキルと良質の感性、そして専門知識に基づくリーダーシップの発揮のもと、日本各地の地方自治体や医療機関に向け、さらには海をこえ韓国や中国、台湾などアジア諸国の医療・保健福祉行政にも役立つノウハウを発信していけることを切に願っております(当学会の覚醒)。
田中 喜代次
筑波大学体育系(健康増進学)
大学院博士前期課程(健康増進学)
大学院博士後期課程(スポーツ医学)





 初代理事長挨拶



はじめに
 1999年に日本健康支援学会が設立され、光陰矢のごとしで既に15年が経過した。その間、私は設立当初から12年にわたって理事長を拝命し、本学会の発展を願いつつ、力量不足ではあったが、その役を全うしてきたと思っている。しかし、平成22年度の学術集会での大会長を最後に、理事長職を辞任させていただき、その後は機関誌「健康支援」の編集委員長を田中理事長より仰せつかって今日を迎えている。理事長をご辞退した時の心情として、はっきり言って肩の荷が下りた気持ちであったことを覚えている。学会15年目の節目にあたり、改めて本学会設立の経緯などを回想してみたい。

設立の背景
 現在、種々の健康関連学会(日本公衆衛生学会、日本健康教育学会、日本健康科学学会、日本健康心理学会および日本健康増進学会など)が、国民各層の健康増進活動あるいは健康教育の普及と実践活動を通して、国民ひとりひとりの健康意識および健康行動、あるいは疾病予防の実践に多大なる貢献をしているのは周知の通りである。現在の健康増進活動は、オタワ憲章(WHO, 1986)で制定されたヘルスプロモーションの理念、ならびにその具体的活動方針に基づいて展開されることが望ましいと考えられているが、本邦における健康増進活動の展開は、必ずしもその内容を満たすものではなかった。21世紀を迎えた今日、個々人のライフスタイルの変化、一般の人々の権利意識の高まり、生きる価値観の多様化、疾病構造の変化、少子高齢社会の到来、および個々人を取りまく社会・生活環境の変化など、我々の健康状態を規定する要因は複雑多岐にわたっている。かかる変化により、研究的立場から眺めると個々の学問領域での単独的アプローチの困難さや限界、あるいは教育・指導にあっては縦割り指導の限界などが生じてきているようである。このような社会状況にあって、生きがいを持って健康に過ごせるための研究および実践の学術組織として、1999年に日本健康支援学会(事務局:九州大学健康科学センター;2013年3月31日に閉組)が設立された。本学会は20年間の歴史を有する健康科学会議を母体として、その組織を発展的に解消、設立された学術組織である。
熊谷秋三
熊谷 秋三 初代理事長

健康支援学へのパラダイムシフト
 日本健康支援学会は、わが国における疾病構造や健康問題の変化、一般の人々の権利意識の高まり、そしてそれに伴うヘルスプロモーションの理念とその展開を目的とした健康支援のパラダイムの転換に基づき設立された。本学会は、1980年に設立された健康科学研究会の理念を引き継ぎ設置された経緯がある。健康科学研究会は、健康科学に関する研究を推進し、健康の維持増進に寄与すること、並びに会員相互および関連学会との交流を図ることを目的として設置された学術組織であった。日本健康支援学会の設置理念においても、その点は継承されており、「保健・福祉・医療におけるシステムの再編ならびに統合と、人的資源の開発を念頭におき、健康科学の新たなアプローチを機軸とし、健康支援の理論的研究と実践を行うこと」が掲げられている。さらには、「健康支援指導者や健康関連支援団体と本学会との情報交換を密にして、様々な健康問題に関する健康支援システムの確立や、そのネットワークサービスも積極的に推進することを目指す」と謳われている。つまり、日本健康支援学会の特徴は、1) 健康維持増進に寄与する、健康を支援する側の交流の場として設立されたこと、2) 健康を支援する現場における発想を学問レベルにまで高めること、3) 健康支援の基礎的理論を踏まえ、それを実践できる健康支援者、および研究者を育成することを目的としている点にある。
 このように、健康を支援する側の交流の場としての日本健康支援学会が発足したのは、医学、体育学、栄養学、社会学および心理学など、健康問題に貢献しうる様々な研究領域において、それまで専門分野ごとに個別に携わっていた健康支援活動を統合させ、他分野との交流を促進し、総合的かつ包括的な見地から、健康支援の理論的な構築、対人(集団)支援、および政策支援に関する研究教育の必要性が認められたからである。私は、健康支援学を「健康科学に関連した種々の基本学問を背景にした健康の疫学と政策科学を基盤に、指導者、住民、行政および環境要因を含んだ全人的アプローチとそのネットワークづくりおよびシステム化を図る学問体系」(健康支援学入門、北大路書房)と定義し、既存の研究・教育指導体制の枠組みに捕われることなく、あくまでも支援される側の立場で健康支援を捉えることの重要性を唱えてきた。

さいごに
 今後は、これらの思想と理念を健康支援学の視座として、田中喜代次理事長のご指導の下、ますます日本健康支援学会が発展していくことを願うばかりである。最後に、過去15回の学術集会大会会長、学会事務局担当者、編集委員委員長・委員各位、賛助会員の方々、および学会員の皆様に、改めてお礼を申しあげる。
熊谷 秋三 
元九州大学健康科学センター長
九州大学基幹教育院学修(健康支援開発部)
大学院人間環境学府(行動システム専攻健康・スポーツ科学講座)
キャンパスライフ・健康支援センター(健康支援開発部門)
環境発達医学研究センター(環境・代謝内分泌異常解析分野)





 日本健康支援学会会則 PDF 会則 PDF



 
第 1  章  総  則
   
第 1 条 本会は、日本健康支援学会(Japan Society of Health Promotion)と称する。
   
第 2 条 本会は、健康支援とそのシステムに関する研究を推進し、健康の維持増進に寄与すること並びに会員相互の交流を図ることを目的とする。
   
第 3 条 本会に事務局を置く。
   
   
第 2  章  事  業
   
第 4 条 本会は、その目的を達成するため次の事業を行う。
(1)学術総会の開催
(2)学会機関誌「健康支援」・学会ニュース等の発行
(3)関係諸学会、協会、団体との連絡及び協力活動
(4)会員相互の親睦、交流の推進
(5)その他、本会の目的に資する事業の開催
   
   
第 3  章  会  員
   
第 5 条 本会員は、正会員の他、賛助会員を置くことができる。
(1)正会員は、健康科学あるいはこれに関連する諸科学の研究者並びにこれらの科学に関心を有する者で、理事会の承認を得、所定の会費を納入した個人とする。
(2)賛助会員は、本会の目的に賛同し理事会で承認された団体または個人とする。
   
第 6 条 会員は、本会が発行する学会ニュース等の配付を受け、本会の営む事業に参加することができる。
   
第 7 条 (1)正会員  入会金  3,000円(但し、学生は1,500円とする)
        年会費  5,000円(但し、学生は2,500円とする)
(2)賛助会員 年 額 20,000円以上
   
第 8 条 会員にして会費の納入を2年間怠った者は、退会したものとみなす。
   
第 9 条 会員にして本会の名誉を傷つけ、または本会の目的に反する行為があった場合、理事会の議決を経てこれを除名することができる。
   
   
第 4  章  役  員
   
第 10 条 本会の事業を運営するため、正会員の中から以下の役員を選出する。
(1)顧  問 若干名
(2)理事長  1 名
(3)常任理事 若干名、研究、経理、渉外等
(4)理  事 若干名
(5)監  事 2 名
(6)評議員  会員数の2割程度
   
第 11 条 役員の任務は、次の通りとする。
(1)顧問は、理事長の要請に応じ、この学会の全般につき指導助言を行う。
(2)理事長は、本会を代表し、会務を総括する。
(3)常任理事は、常任理事会を組織し、理事長を助けて会務を分掌し、執行する。
   
第 12 条 理事長および役員の任期は1期3年とし、再任を妨げない。
   
第 13 条 役員の選出は、次の通りとする。
(1)理事長は、理事の中から互選により決定する。
(2)常任理事は、理事の中から理事長が指名し、理事会の承認により決定する。
   
   
第 5  章  会  議
   
第 14 条 本会の会議は、総会及び理事会とする。
(1)総会は、毎年1 回開催し、役員の選出及び本会の運営に関する事項を審議・決定する。
(2)総会は、理事長が召集し、出席正会員をもって構成する。
(3)総会における議事は、出席正会員の過半数をもって決定する。
(4)臨時総会は、理事会が必要と認めた場合、もしくは正会員の3 分の1 以上の要求がある場合に開かれる。
(5)理事会は、年1 回以上開催し、本会の事業計画並びにこれに伴う予算計画を含む運営について協議し、議決する。
   
   
第 6  章  会  計
   
第 15 条 本会の経費は、会費、寄付金及びその他の収入をもって支出する。
   
第 16 条 本会の会計年度は、毎年1月1日に始まり12月31日に終わる。
   
第 17 条 本会の決算報告及び予算案は、総会において審議決定する。
   
   
付     則
   
(1)本会則は、総会において出席正会員の3 分の2 以上を得た決議により変更することができる。
(2)本会則は、平成11年4 月1 日から施行する。
(3)本会則は、平成20年4 月1 日より改定する。
(4)本会則は、平成30年4 月1 日より改定する。
   
   
  平成11年4月1日施行
平成20年4月1日改定
平成30年4月1日改定
   





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